2009年2月15日日曜日

2009年度第2回ROBO-ONE Mtg議事録

今日は2009年度第2回目のROBO-ONE Mtgでした。

皆さんお疲れ様。

T氏、K氏は都合により不参加、また次回宜しくです。

リベンジカレーはジャガイモの処理と投入タイミングをぎりぎりまで待ったので

煮崩れしませんでした。でもちょっと焦げ臭いような。

鍋に焦げが付いてクセになってるのかもしれません。

それはさておき、今日のお題は

「ダイナミックドベースド歩行のLEGOモデルを作ってみよう」

でした。

というのも、私が最初に組んだもののノウハウは私自身しか体験していないので

実際にみんなで考えてもらおうという趣旨でした。

そんなわけでO氏、I氏に組んでもらいました。

O氏のモデル初期(通称:おかもちシステム)

O氏改良版

I氏システム(初期)

I氏システム(改良版)

改良が進むとなかなかいい感じになってきます。

今日の検討で判明したことは

・左右脚幅は狭いほうがいい。→1点に近い設置により左右のゆれが大きくなる。

・足裏の形状は弧を描くように、設置面積が少ないほうがよい。

・前後バランスが重要。→坂道のため、前過ぎると転倒し後ろ過ぎると止まってしまう。

・脚の前後の振幅と左右の振幅は大きいほうが良い。

→左右の振幅と前後の振幅は時間的に関係があるため。歩幅が大きくなる。

・脚の長さは前進するための重心に影響する。

→長い=重心高=前進力大=前後バランスに影響

・要検討事項として、重りの位置の上下でどういう影響が出るか?

です。

2足歩行ロボットをしている人から見ると当たり前のように見えますが、

これは制御系が構造に内在してフィードバックしているものなので、

難しいです。(つまり外から制御していない。)

次回はT氏、K氏にも体験してもらって、平地の場合の条件を纏めようと思います。

その後のゲームはカタンを久しぶりにやりました。

久々だとルールを忘れていて、とんでもない状態になりました。

非常に笑えました。

次回も宜しくです。

p・s

FPGAのPWM波発生基板をMtg前にいじっていたのですが、難航してます。

FPGAに書き込むファイルがうまく生成できなく、ハマってます。

2009年2月6日金曜日

大阪から帰還

久しぶりのアップです。
サボってたわけではないのですが…。

今日、大阪に行ってきました。
初の大阪探索です。
(仕事では行った事があるのですが、探索したのは初めてなのです。)
いや、目的は大阪産業創造館で行なわれたロボットの制御についての講義ですが。

と言うわけで、道頓堀。


かに道楽


グリコ


起床は朝4:00、出発も4:45…。眠い。
しかも鬱の薬を飲むのを忘れ、気が付いたのは新幹線の中orz。
今日の講義、ちゃんと聴けるのか?と頭痛しながら考えてました。
しかし講義が始まると、凄い集中しますね。

これらの写真を見ると、あー大阪って異次元じゃないんだ。存在するんだと納得。


この辺で肝心の講義の話。
講師は立命館大学の川村教授と、大阪大学の石黒教授。
(石黒教授はご自身のアンドロイド製作で有名です。本当にそっくり。)
テーマはロボットの制御についてです。
目的はそれぞれ違うのですが、向かっているところは、
現在の複雑な制御工学ではなく、もっと簡単に多関節リンクを制御できないか?
更にいえば人間のように複雑な計算無しで、ある程度の正確な制御が行なえないか
と思われます。
講義対象が専門分野の人ではなく、企業の方主体でしたので難しい数学は抜きでしたが、
聴き応えはありました。


まず川村教授の講義、研究内容ですが、
ずばり現在の制御工学はパラメーターが多く、方程式も多くなるので、そこからの脱却です。
必要なパラメーターを絞り、ヤコビヤン行列を使うことで位置誤差を無くしていき、
フィードバック制御とフィードフォワード制御で高精度化していくそうです。
書いてて自分でも訳解らなくなりそうですが。
結果パラメータとして、ヤコビヤン行列を含んだ制御式で駆動トルクを求めれば、高精度制御が出来るそうです。
(ヤコビヤン行列、う~ん確か解を求める為の逆行列だったっけ?後で高校の教科書見ないと。)
これを使うことにより、リンクの長さ、角度、更には外乱といったパラメータを配慮せずに、
リンクの位置範囲内で制御できるそうです。


次に石黒教授の講義ですが、
目的は、生物生体系を模倣することで社会をシステム的にエコロジーにするのが大学の目的で、
その一環として、ロボットの制御にこの系を模倣したそうです。
内容ですが、生物にはゆらぎノイズというものがあり、それを積極利用することで、
ある程度正確な制御をする、ということです。
原理ですが、生物のゆらぎノイズを制御系に注入し目的に近づけたらノイズを小さくすることで
制御精度を高めるそうです。

実際に人間の腕のリンクと筋肉を模倣したモデルでこの実験を行い、
最初はでたらめに手が動いていたのですが、数秒後には手先が円を描くようになってました。

これはすごいなと思いました。
従来だと先にも書いたように、リンクの長さ、角度、外乱といったありとあらゆるパラメータを
いれないと制御は出来ないのでしたが、
この場合、モデルのパラメータは一切関係なく、ただノイズを注入して数回経験させれば狙った通りに
制御できるのです。

私は以前、制御工学の本を読んだときに、人間はここまで凄い演算はしていない、もっと簡単な
制御があるはずだと思っていましたが、答えはみつかりませんでした。
感覚的に外乱を含むことを許し、ある程度目的位置を出せば問題ないかなとか考えていましたが、
その実際の答えを垣間見た気がしました。

遺伝的アルゴリズムと何が違うのかとツッコンでみましたが、どうやらこれは
その原理解明的な内容らしいです。
突然変異による世代交代もゆらぎノイズとして含んでいるようです。

恐らくゆらぎノイズはカオス的で、あるパラメータになると目的に収束する性質を
利用しているのだと思います。
(朝の新幹線で非線形をかじったが、やっぱり付け焼刃で完全には解ってない…。)

この内容は私の作りたい小型二足歩行ロボット
(世界最小は某おもちゃメーカーさんに先どられましたが。)
にぜひ盛り込みたいと考えています。

まだ解りきっていないところが多すぎるので、私自身のツッコみどころは満載でしたが、
非常に実になる、刺激的な講義でした。